株式会社マグネスケール

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【受賞製品】SmartSCALE

2022年03月30日配信

相反する目標を新しいデバイスで克服


開発担当:武井 祐介

『壊れないスケール』を作る。そして分解能は次世代の工作機械を睨んで『5nm』とする。これが製品企画時の命題でした。壊れる(信号が出なくなる)原因はいろいろありますが、多くはヘッドとスケールの間に異物が入ってスケール表面やベアリングを傷つけてしまうことでした。それなら、ヘッドとスケールの間隔を大きく取りベアリングなど消耗部品を取り除いた非接触構造にすれば良いのですが、そのためには目盛りのピッチを粗くして遠くまで磁気信号を飛ばす必要があります。それでは分解能を上げるという目標から遠ざかってしまいます。結局、今までの延長の技術ではなく、新たなデバイスを採用するしかありませんでした。検出デバイスも、磁性体も、構造も、内装回路も全てが新しいことで、先の見えない開発作業は『いばらの道』でした。IP67の防塵防水規格も前例がないので手作りの試験装置を作るなど しました。



スケール部の磁性媒体は、組成や磁性体密度を変更し、さらに生
産方式も変更することで磁気出力を30%向上させることに成功。



最先端のスピンバルブ方式のTMR デバイスの開発により、従
来比10 倍の高感度を持つ低ひずみセンサを実現。



新開発の内挿算出方式と高分解能化により、大幅な内挿精
度の向上と5nm の高分解能を実現。