【受賞製品】非接触自己校正型ロータリエンコーダ
2022年03月30日配信
世にない高精度スケールの開発、自らの成長と共に
非接触自己校正型ロータリエンコーダSET-HD100は、2018年に精密工学会で技術賞を受賞しました。9月に贈賞式のある函館の学会へ赴きましたが、北海道地震のため中止を伝えられる受付で賞状を受け取ったことを思い出します。
この製品は、回転エンコーダの周期的に起きる誤差を製品自体で補正し高精度を実現するもので、最高精度±0.028秒を達成しました。
超高精度な角度割出し用のエンコーダとして、あるいは、この製品をリファレンスとして内蔵エンコーダを補正する校正用途として使用できます。
自己校正法は1つの目盛盤を複数ヘッドで読み取ることで知られていましたが、商用で使用するにはヘッド数を最小限にして測定時間も短くしなければなりません。そこで、仮想等分割平均法(VEDA -method)という新たなアルゴリズムを開発し実装しました。結果として1つの回転レーザスケールを6個のヘッドで読み取る構成で超高精度が実現しています。このアルゴリズムに関する論文でも精密工学会の髙城賞を頂戴しました。同時にこの研究で社会人博士課程も修了することができました。仕事と論文の両立はとても大変でしたが、これを通して自らも成長することができました。
2021年にロータリエンコーダの校正のJCSS校正事業者認定を取得しました。今後はビジネス拡大を目指して、更なる精度の向上や生産性の向上に力を注ぎたいと思います。
角度国家標準器での精度測定結果の例: ±0.036”