株式会社マグネスケール

お知らせ

ワイヤレスデジタルゲージ「μMATE+」を商品化
~作業効率を向上させるマニュアル測定器でデジタル計測を加速~

2022年10月12日配信

株式会社マグネスケール(以下、当社)はマニュアル計測器 「μMATE+(ミューメイト・プラス)」 を商品化しました。2022年11月8日から11月13日に東京国際展示場で開催されるJIMTOF2022に出展いたします。


組立や加工、検査の現場では「てこ式」を含む多数のダイヤルゲージが使用されていますが、未だその多くがアナログ式であり、アナログ針の指示値を目視で読み取り記録したり、公差内の合否判定をしたりといった用途で使用されています。 一方で、省力化や効率を求めデジタル化の工程変革も多くの現場で検討されていますが、ダイヤルゲージのデジタル化には、システム全体の設計・構築も必要になり高いハードルとなっています。 当社は、現場で使用されている問題点に耳を傾け、高精度で測定しやすくかつデジタル化が容易なワイヤレスデジタルゲージを商品化しました。


◆ ポイント

(1) アナログゲージと変わらぬ軽量・コンパクト性(レバー部:約75g)

(2) 見やすく操作しやすい2.7インチカラー液晶タッチパネル搭載

(3) ワイヤレスによるスマートホンでの操作、データ保管・処理にも対応

(4) 高速・高精度測定を可能にする2つの新技術(特許出願)

(図1)μMATE+ システム概要図


◆ 商品構成

今回発表の製品はデジタルインジケータゲージとデジタルレバーゲージの2種類です。 従来のダイヤルゲージやてこ式ゲージの使い方を踏襲しつつ、デジタルでありながらアナログの長所も取り入れた製品となっています。 本体はBluetooth通信にてワイヤレスでタブレットやスマートホンに測定値を転送できます。 本体のコントロールやデータ取得が可能なiOSとAndroid用の無償アプリを準備しています。(図1) 本体からはUSBやmicro SDカードでのデータ受け渡しも可能です。


◆ 新技術の開発

高精度、高分解能を実現するにあたり当社は2つの新技術を開発いたしました。(特許出願)


(1) ALリンク機構(Arc-to-linear機構)

多くのダイヤルゲージには直動やてこの動きをギアの回転に変えてダイヤル指示針を動かしていますが、ギアを使うことにより、バックラッシュが発生し、誤差が生じてしまいます。 当社では、ゲージ先端部の円弧運動を直線運動に高精度に変換する、Arc-to-linear機構を開発することで、バックラッシュのない位置検出を実現しました。(図2) この機構による繰り返し精度は0.5μm以下です。

(図2)ALリンク機構


(2)  IDセンサ(Inductance to Digital conversion sensor)

移動量の検出には新開発のIDセンサを採用。 図3のような小型かつシンプルな構造で移動量に応じたインダクタンスの変化をアブソリュート値として検出します。

(図3)IDセンサ


◆ 高い視認性と多彩な表示モード

視認性の高い2.7インチ液晶表示パネルを採用し、測定物の状況にマッチした5つの表示モードを用意。(図4) アナログの針の動きを再現した表示モードでは、慣れ親しんだ従来のダイヤルゲージやてこ式ゲージでの「振れ幅」の感覚を大事にしています。 もちろんその場合でもデジタル値はキープし保存していますので、数値としての記録・保存も可能です。 その他、バーメータやリアルタイムチャート、円測定モードなど測定目的に最も適した表示を選択いただけます。

(図4)5種類の表示モード


◆ 今後の予定

2023年1月より受注を開始、4月より出荷を開始します。 初年度の売り上げ目標は年間5千台、数年後には年間5万台を見込んでいます。 価格は1セット当たり10万円前後で計画しています。


◆ 主な製品の仕様


◆ 株式会社マグネスケールについて

株式会社マグネスケールは、磁気やレーザ光などを検出原理とした高精度位置検出システムを、工作機械や産業機械の分野に半世紀以上、提供し続けています。 社名になっている 『マグネスケール』 は磁気の特長を活かし、金属切削のような過酷な現場でも信頼性を発揮。 『レーザスケール』 は世界最高レベルの分解能(細かさ)2.1ピコメートルを達成し、最先端の半導体製造装置や超精密加工機の品質向上に貢献しています。 高精度な位置検出システムを応用した 『デジタルゲージ』 は製造・組み立て工程で発生する「測る」をデジタルで支えます。 株式会社マグネスケールは、JCSSの長さと角度の校正事業者にも認定されており、国家標準とトレーサブルな製品を提供します。


◆ 本件問い合わせ先

社長室広報課     E-mail : informationPR@www.magnescale.com