株式会社マグネスケール || マグネスケール、レーザスケール、デジタルゲージの設計・製造・販売・サポート

2014年10月20日

高精度オープン型アブソリュートおよびインクリメンタル直線マグネスケールを商品化
‐過酷な環境に更に強いマグネスケール誕生‐

株式会社マグネスケールは、ナノメートル分解能を達成するオープン型直線磁気スケールの商品化に成功しました。このスケールは最先端の磁気デバイス技術を採用し、同時に磁気媒体の高性能化と新アルゴリズムの処理回路の開発によって世界で初めてオープン型磁気スケールでナノメートル分解能を実現しています(当社調べ)。カバー構造など、機構部品が少ないオープン型とすることで、コンパクトなサイズと高い信頼性を実現しています。

高精度オープン型磁気スケールは、産業機械、工作機械などにおける直線位置制御の高精度化と信頼性向上への貢献が期待されます

この技術の詳細は、JIMTOF2014に展示発表いたします。

オープン型直線マグネスケール

(上)アブソリュートタイプ、IP67
(下)インクリメンタルタイプ、IP65 小型ヘッド

開発・商品化の背景

機械をより速く動かし、かつ正確に止めることは、効率化を追求する工作機械および産業機械に永遠に求められる課題です。この命題を達成するため、機械のフルクローズド制御への移行が進み、リニアモータを搭載する機械が増加し、またNC装置の高分解能・高速処理が可能になり、近年、位置検出を行うスケールの高分解能出力への要求がますます高まっています。

一方、ユーザーから見た時、機械の効率化を妨げる大きな要因にマシンダウンがあります。これまで機械メーカーはマシンダウンの一つの要因であるスケールの故障を防ぐため、エアパージなど様々な対処を行っていますが、加工速度の増加に伴う大量のクーラントや切りくずから完全に守ることは困難です。マグネスケールのアブソリュート磁気スケールは、光学式スケールに比べ優れた耐環境性を有しているために多くのお客様の信頼を得ていますが、加えて高い加工精度を得るため、スケールをより加工面や駆動軸に近接させて使用したいなどの要求も出ています。そこで、マグネスケールは磁気式スケールのパイオニアとして、コンパクトなサイズで、悪環境でも信頼性を有する、高精度・高分解能のオープン型新磁気式アブソリュートスケールおよびインクリメンタルスケールの開発製品化を行いました。

開発・商品化の内容

これまで磁気スケールは、高い耐環境性があるものの、検出ヘッドのスケールの記録面からの距離に対して信号強度が急速に減少するため、ヘッドとスケールの間の距離を機械的に一定に保つユニット型でないと高分解能を得ることが出来ませんでした。この問題を解決してシンプルなオープン型スケールを開発するため、検出素子の高感度化の検討を行いました。世界最先端の磁気センサーであるスピンバルブ方式のTMR素子を用いて次世代のスケール用磁気検出デバイスの研究を行い、従来比10倍の感度を持つ高性能の低歪センサーの開発に成功しました。

また、磁気記録媒体の均一性を向上させると同時に、磁性体の充填密度を従来の2倍に上げ、並行して、記録条件の最適化を行うことにより、スケールから出力される磁気信号強度を2倍以上改善しました。さらに、信号波長内の位置を高精度・高分解能で計算する新アルゴリズムを搭載した高機能演算処理回路の開発により、信号波長内の位置を1/10000精度で出力することを可能としました。

これらの要素技術開発により、①スケール-ヘッド間距離:当社従来比3倍、②同距離変動許容:当社従来比5倍、③波長内精度:当社従来比10倍、④分解能:5ナノメートルを達成し、世界初の(当社調べ)ナノメートル分解能を持つオープン型アブソリュート磁気式スケールを商品化することに成功しました。

ハイライト

主な仕様

アブソリュートタイプ インクリメンタルタイプ
有効長 (mm) 20~4000
精度 (μm) ±(1.5+1.5L/1000) ±5, ±10, ±15
分解能 (μm) 0.005/0.01/0.05/0.1/0.5 から選択 0.01/0.05/0.1/0.5 から選択
最大応答速度 (m/min) 200
耐振動 (m/s2) 250 200
保護等級   IP67 IP65
出力信号   各社シリアルプロトコルインタフェース対応予定 各社シリアルプロトコルインタフェース対応予定
A/B 相パルス出力

今後の予定

2015年4月発売予定

以上

お問い合わせ先:社長室 info-mgs@magnescale.com